ヒューマンスキル

転職に際して有利に働く人間的スキルのひとつにヒューマンスキルがあります。

ヒューマンスキルとは、相手に対し礼儀正しく振る舞うことができ、良印象を持たれ、一緒に気持ちよく共同作業できる能力のことです。これといって特別なことではなく、生まれつきの資質に左右される能力のように思われがちですが、じつはそうではありません。

確かに、生まれつき愛想の良さというものはありますが、ヒューマンスキルは単なる社交性ではありません。口下手であってもなぜか人に好かれ、いつもまわりに人が集まってくるような人はいるものです。

ヒューマンスキルの高い人

ヒューマンスキルの高い人をよく観察していると、タイプの差こそあれ、あるひとつの共通点を持っていることがわかります。それは、他者に対して冷静な想像力を持っているということです。相手がどういったことを不快に感じ、何を求めているのかを的確に判断することができるのです。相手への思いやりというのは、初等教育の現場でも重視されていて、道徳の時間のテーマになったりもします。

しかし、ヒューマンスキルの高い人の思いやりというのは道徳的に正しいそれとは若干異なります。相手も自分も心地よい妥協点を得るために、ある時は敏感にまた別の時はあえて鈍感にとスイッチの切り替えができることが大切なのです。

自己犠牲≠ヒューマンスキル

純粋に相手への思いやりを追求するあまり、自己犠牲が快感になっているような人もいますが、それは単なる共依存です。また、思いやりをこじらせて、相手が望んでいること以上のおせっかいをしてしまいがちな人もいます。それらはいずれもヒューマンスキルが高いとはいえません。
ヒューマンスキルの高い人は顧客のニーズを的確に把握します。

しかし、それを全部請け負っていては自社の利益はかえってマイナスという局面では、あえて鈍感を貫くことができます。そして、お互いに収益をあげることができるようなWinWinの代替案を巧みにプレゼンテーションし、相手を納得させることができるのです。

社内的にもヒューマンスキルの高い人がいるチームは自ずと士気もあがります。ヒューマンスキルの高い人は他の人のよいところを見つけ褒めるのが上手なので、モチベーションが上がりやすいのです。なぜ、他者の良い点を見つけるのが巧みなのかというと、自分自身に対する肯定感が強いからです。

ヒューマンスキルをアップさせる決め手は、まずはありのままの自分を受け入れることです。
そこから転職活動もスタートするといっても過言ではありません。