出版業界での働き方は大きくわけてみっつあります。まずは大手出版社に就職すること。収入も出版業界のなかでは一番高く、安定しているところが魅力です。大学卒業して就職するというケースがほとんどですが、その採用試験には多くの若者が殺到し倍率はどこもかなりのものです。狭き門なので願いが叶わないことの方がほとんどでしょう。
比較的就職しやすい傾向とは
その場合は大手出版社ではなく中小出版社という道もあります。収入も安定感も大手出版社ほどではありませんが、そこそこはあります。ただし、中小出版社は人材を募集すること自体がそう頻繁にあるものではないので、やはり狭き門といわざるを得ません。
じつは出版社に就職できなくても、出版の仕事をすることは可能です。たとえば編集プロダクションであれば比較的就職しやすい傾向があるようです。出版社の下請仕事をしているのが編集プロダクションなので、仕事内容は出版社とほとんど変わりません。
ただし、収入も安定感も雲泥の差です。しかも、かなり多忙で会社に泊まりこむのも珍しいことではありません。若いうちは身体ももつかもしれませんが、年齢とともに厳しくなってくる仕事でもあります。編集プロダクションでキャリアを積んだ後に出版社に転職するというのもひとつのキャリアパスです。
フリーランスになる人について
また、どこにも就職せずにフリーランスの編集者あるいはライターとして働くというのもひとつの方法です。一種の自営業になるので、営業から制作まですべてをひとりでこなさなくてはいけません。きわめて不安定な職種であるにもかかわらず、大手出版社を退職してフリーランスになってしまう人もめずらしくありません。
やはり、モノを書くのが好きな人の場合、会社組織の面倒なあれこれに煩わされずに書くことだけに専念したいという希望もあるようです。フリーランスのライターこそ資格もなにも必要ない職種の最たるもので「フリーライターの名刺を作ってしまえば、その日から誰でもフリーライター」とまでいわれるほどですが、新卒でフリーランスになるというケースはほとんど耳にしません。ある程度のキャリアを積み、人脈を京成してからフリーランスになる人がほとんどです。
以上のように出版業界のキャリアパスは少し複雑です。他の業界であれば、より収入の高い安定したポジションを求める流れを見ることができますが、高収入を投げ打ってでもフリーランスになってしまうという流れはほかの業界にはあまり見られないものです。